ウォーキングのススメ

まだまだ暑い日々が続いていますが、朝夕は少しずつ涼しさも感じるようになってきました。

真夏の頃には熱中症などのリスクもあり、またコロナ蔓延も相まって運動不足の方も多かったのではないかと思います。

 

診察時、私はよく患者さんにおすすめの運動としてウォーキングを推奨させていただいております。

今回は、これまでに示されている大型研究や論文で報告されているウォーキングの健康効果についての医学的報告についていくつか紹介してみたいと思います。

 

▶︎「筋骨格の慢性疼痛にウォーキングが有効である」

Archives of Physical Medicine and Rehabilitation誌オンライン版2014年12月18日に掲載された論文です。

慢性腰痛、変形性関節症、線維筋痛症の成人患者2384人を対象に、ウォーキング群(1日30分〜60分)と非運動もしくは非ウォーキング群を比較した試験において、痛みについて両群を比較しており、ウォーキング群において有意に痛みが改善したという結果でした。強い痛みを我慢して運動を強行するのは良くないですが、少し痛いからと言って運動不足に陥るのは更なる痛みの増悪になる可能性が示唆されました。

 

▶︎「毎日ウォーキングをする高齢者は認知症になるリスクが低い」

JAMA 2004で掲載された論文です。

65歳以上の高齢者で、1日3.2km以上ウォーキングしている群と1日0.4km未満の活動性の低い群を認知症発症について比較した研究です。ウォーキングをしていない群はウォーキングをしている群に比べ認知症発症が1.8倍も高かったという結果でした。この論文以外にも、毎日の軽度の運動で認知症やうつ状態を防げるという論文は多数出ています。

 

▶︎「長生きしたければ運動しましょう」

Circulationに2022年7月25日掲載された最新の論文です。

アメリカのガイドラインでは、ウォーキングなどの運動を週に150〜300分行うか、ジョギングなどの高強度運動を週に75〜150分行うことを推奨されているのですが、この研究ではこれらの目標を達成した人は、向こう30年間で死亡する確率が、非運動群と比較して20%前後低いことが分かったのです。心筋梗塞や脳梗塞の発生率の低下が大きく関与していたようです。ウォーキングで寿命や健康寿命も伸びて行きますね

 

▶︎「運動で肺炎になるリスクを下げる可能性」

GeroScienceに2021年11月25日掲載された論文です。

約104万人という膨大なデータから算出された信頼性の高いデータです。ウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなど運動に毎日20分以上割いている群では、非運動群と比較して肺炎を発症するリスクや肺炎で死亡する相対リスクが0.69と有意に低下していたとのことでした。今はコロナ肺炎による重症化リスクについての研究もされているようですが、おそらく運動量維持がコロナ重症化予防に重要である結果は間違い無いのではないかと思われます。

 

いかがでしたでしょうか?

これ以外にも、糖尿病、高血圧、動脈硬化、ガンの予防、変形性関節症などにも運動やウォーキングが有効であることが示されています。運動が健康にいいことは皆さん充分お分かりだとは思いますが、歩くことや運動を上手に習慣化したり楽しみながら歩けるようになるために当院でも色々とお手伝いできるよう取り組みを行なっております。ぜひお気軽にご相談ください。

「いくつになっても自分の足で歩きたい」この目標を維持する一番の近道は今日から歩くことだと思います。

さぁ一緒にレッツウォーキング♪   院長

 

 

 

 

 

 

2022年08月31日